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理事長の部屋

  • 1月11日
  • 読了時間: 2分

2026年が明けました。新しい年…、良いですね。この年齢になっても年の初めは期待してしまいます。どうぞ平和な良い年になりますように。と言いつつ、年末の新聞記事に腹が立っている私は平和な心とは程遠く、この場で文句を言わせていただきます。

それは、文科省が毎年算出して公表している大学進学率に、特別支援学校の卒業生を含めずに算定していたしていたという記事を見たからです。


大学入学者数を18歳人口で割って算出するのが大学進学率なのに、新聞によると、半世紀もの間、特別支援学校の卒業生を「分母」に加えずに計算していたという記事です。聞き取りによると少なくとも1971年度からこの方法で算出を続けていたとのことなのです。こんな話し、誰が聞いても腹立たしいですよね。何が「差別解消法」だ、何が「インクルーシブ」だ!これが文部科学省のやることかっ!! 差別的な判断はなかったと言っているらしいけど、それじゃ何なんだ?と。


私の知っている特別支援学校の高等部では、2年生になると就労アセスメントといって卒業後の行き先(就労・就労移行・就労継続A型・就労継続B型・生活介護など)を考える取り組みが行われます。特別支援学校から大学に進学するというのは、あまり一般的ではないのでしょう。「就職率100%を目指します」と言った特別支援学校の校長先生もいて、それを聞いた私は違和感とともにとても悲しくなりました。高校ってそんな場所ですか?特別支援学校高等部って、そんな所なのでしょうか?大学に進学するのも就労するのも、またどちらも選ばないのも、その人の生き方です。大学進学率というのは、そういうことでしょ?と私は思う。18歳は大人の入り口。大学進学率を正確に算定することで何かが見えてくるかもしれないとも思います。


誰でもどこでも、平等に機会があり、選択できて、それを積極的に手助けする社会でありたい、私でありたいと思います。さ、今年も頑張らなくっちゃ。

本年もよろしくお願いいたします。

 

 副籍交流という通学があります。障がいがあって、普通の小中学校に通学できず、特別支援学校に通っている小中学校の生徒さんが、地域の学校に行って授業を受けるというものです。特別支援学校はバスによる送迎がありますが、地域の学校へは自力で行くことになりますので、親御さんの付き添いが必須です。


 6月、杉並区立東原中学校で副籍交流の生徒さんが運動会に参加する際に、校長先生がとても素敵な取り組みをしてくださいました。区立中学の生徒さん達が中心になって、手足を動かすことが難しく話すこともできない障がい児の副籍交流の同級生が、どうしたら一緒に運動会に参加できるかを考え、実践してくれたのです。障がいのご本人もお母様も大変喜ばれていて、感動しました。


 その体験を踏まえ、10月に杉並公会堂で行われた同中学の「合唱祭」にも、同級生達が考えてくれて、前よりももっとバージョンアップした登場で参加することができました。この取り組みは、12月7日(日)セシオン杉並3階第8・9・10会議室で15時30分から行われる「トークライブ それならわたしもできるかも」の中で発表されます。ぜひ見に来ていただきたいです。


 この件で校長先生とお話しした際に、校長先生が「私は障がいを持つお子さんがみんなと一緒になって学ぶことは普通のことだと思っています。」とおっしゃっていて、だからこそ出来たんだなと感じました。でもこういった取り組みを、今までしてこなかった学校で新たに始めるというのは、なかなか大変だったのだろうとも思います。


 そして一番印象に残った校長先生の言葉が「この取り組みは、私が校長だからできたことだと思う。それだけでも、校長になった甲斐があります。」という言葉です。私は感動して泣きそうになりました。


 曲がりなりにも、NPO法人の代表をオロオロしながら務めている私ですが、「理事長をやってた甲斐があったわ!」と言える日が来ると良いなと思いました。

 
  • 2025年8月20日
  • 読了時間: 2分

毎日暑いですね。青い空に入道雲が浮かんでいます。

私は入道雲を見るといつも思い出すことがあります。


かすみ草に入職してヘルパーとしての最初の仕事が、夕方1時間の移動支援でした。その利用者さんは知的障がいと歩行不安定があり、歩行機能の維持も兼ねて日中活動から帰ったあとに、手を取って近隣をお散歩するという支援です。


言葉は出ない方ですが、嫌なことがあるのか(何が原因かはよく分からない)時には泣いてしまったり、声を上げて笑ってくれることもありました。うつ向きがちな姿勢で顔を上げることが少なかったのですが、音楽がお好きで一緒に歩きながらヘルパーが歌を歌うとにっこりして顔を上げてくれたりしました。


暑い日も寒い日もこの移動支援を続けていて、私なりに少しづつ心が通じてきたように感じていて、気付いたことがあるんです。真夏のお散歩中、真っ青な空に入道雲が浮かんでいます。雲を指さして「あれは象さんみたいですね。あっちはソフトクリームみたい。」と話しかけていると、空を見てくれました。偶然かも?とも思いましたが移動支援の度に私の問いかけに雲を見てくれます。次の年もまた次の年も。なんとなく表情も和らいでいるように思いました。同じ支援に入っているヘルパーさんに「雲見てくれますよね?」と聞いても「そうですかぁ?」と言われ、私の時だけなのかな…と。だったら私だけとの特別なコミュニケーションなのか!と嬉しい気持ちで調子に乗っちゃいました。


その方とは10年以上移動支援を続けさせていただきましたが、体調を崩して残念ながら亡くなられました。足取りが不安定でも一生懸命歩いてくれた、眩しそうに空を見上げていた、公園のベンチで一緒にお茶を飲んだ、散歩の終わり頃ご自宅に向かう道になると急に歩くスピードを上げて(帰りますよー)と言わんばかりだった。言葉を交わすことはなかったけれど、会えばいつもこちらの気持ちをほっこりさせてくれた、優しい方でした。


本当にありがとうございました。もう会うことはできないけれど、大切な思い出はいつまでも心にあります。いま蝉の声を聞きながら、入道雲を見上げてあの日の移動支援を思い出している私です。

 
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