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席を譲る、という小さな勇気

  • 早野節子
  • 2025年6月10日
  • 読了時間: 3分

NPO法人かすみ草の理事長を務めさせていただき、15年が経ちました。

昨年には、設立20周年の会を行うこともでき、素人集団の法人がなんとかここまでやってこられたこと、皆様に感謝です。


ホームページが新しくなった機会に「理事長の部屋」を(遅ればせながら)始めますね。

と言っても、私の勝手な独り言なので軽く受け流していただければと思います。


私は板橋区から永福町まで通勤しています。東武東上線→山手線→京王線→京王井の頭線と、電車を乗り継いで片道1時間半の旅です。(なかなか疲れます)

最近は席を譲ってくださることもあり、初めはびっくりしたものですが、今では喜んで座らせてもらってます。


“席を譲る”には一つ思い出があるんです。


私がまだ小学生(たぶん1~2年生)の頃、父と二人で出かけた帰りにわりと長い時間、電車に乗り二人で座席に座っていました。

電車が急に混んできて、目の前におばあさんが立ったのです。


今なら躊躇なく立つ私ですが、まだ7歳で席を譲るなんてやったこともなく、もの凄く悩んだことを覚えています。

どうやって声を掛けたら良いのかとかいうことではなく、ともかく勇気がなかったのです。


席を譲ることに、なぜそんなに勇気がいるのか、

すっかり図々しくなった今の私には考えられないことなのですが、

おばあさんを目の前にして、


(立つんだ私!今立つんだ!何してるのよ、早く!)


といった心の声と動かない身体が葛藤していたのです。

きっと一駅か二駅くらいの間なのでしょうが、ものすごーく長い時間に思えました。


そしてやっと勇気を奮い起こし、「どうぞ」(と言ったかどうか…)と立ち上がりおばあさんに席を譲ろうとしたその時


隣の父が立ち上がり「節子は座ってなさい」みたいなことを言って、おばあさんに席を譲ったのです。 


えっえぇ—っ!?私の今までの葛藤は何だったのよ〰!


そのあと家に帰るまで、父とは口をききませんでした。

父は寝たふりでもしていたのか?今思い出しても腹立たしいです。


しかしながら、人に席を譲ったり、視覚障害の方にお手伝いを申し出るのは、今でもちょっと勇気がいるんです。


これってきっと、私だけじゃないですよね?


なぜなのか?

なんだか恥ずかしいのか?

タイミングが難しいのか?以前に譲ったら断られたりしてトラウマなのか? 


でも譲った後は、すがすがしい気持ちになりますよね。


私もそれなりの歳になり、席を立ってくださったその方の勇気にも尊敬し感謝しています。

先日、中学生くらいの女の子がさっと立って譲ってくれた時には思わず「なんてご親切な!」と言ってしまいました。

電車やバスで、お年寄りや障がいのある方、周りの方たちも気持ち良く過ごせると良いですね。


きっと良い一日になることでしょう。

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